こんな使い道があった 生命保険を活用した相続対策

行政書士のみつおです😃

 

1歳の息子がいますが、この頃意味のある言葉を発するようになりました。

以前、彼はビーバービーバーとしか言わない、ということをブログに書きました。

最近、実はピーポーピーポー(救急車のサイレンの音)と言っているのかな、と考えています😅

男の子はみんな車や電車が好きなんですかね?

日本では鶏の鳴き声「コケコッコー」を英語では「 cock‐a‐doodle‐doo」と言ったりします😉

それと似たようなものかなと考えています😎

1歳児は何を考えているのか興味津々です。

 

◼納税資金対策

 

相続財産のほとんどが不動産や自社株式など、換金がはばかられる資産のケースを考えてみましょう。

預金が少ない場合、どうやって相続税を捻出するかが問題となります。

どうしても納税できないとなると、売却せざるをえなくなります。

 

そこで、納税資金を確保するための方法として生命保険があります。

死亡保険金は、受取人固有の財産となります。

相続において承継される資産の中に相続税の納税にあてる現金を用意できることができます。

また、相続人においては相続税の納税資金にあてることができる現金を用意できます。

上記の現金の用意として両面兼ね備えることができるのです。

 

生命保険もいろいろな種類がありますね。

納税資金対策として生命保険を活用する場合には、一生涯にわたって保証が続く終身保険が適しています。

また、期間を定めて保険料を払い終える有期払込といった払込み方法が適しています。

保有している資産の状況から相続税額や必要とされる納税資金を算出し、保険金や受取人を指定します。

それが生命保険活用の第一歩です。

 

◼︎借金がある場合の相続

 

以下のようなケースを考えてみましょう。

Aさん(被相続人)、妻Bさん、長女Cさんが登場人物で、他の相続人はいないものとします。Aさんは事業を経営しており、借金があります。

またBさんは連帯保証人ではありません。

 

このようなケースは、生命保険を活用することでBさんに借金を負わせず財産を残すことができます。

おさらいになりますが、相続が発生すると、被相続人のプラスの債権だけではなくマイナスの債務も承継します。

相続人はいきなり権利義務が承継されると困ることになります。

そこで民法は3ヶ月間の熟慮期間を設けて、相続を承認するか放棄するかを判断するするかの時間を作りました。

その期間内に相続人が被相続人の財産上の法律関係を把握します。

 

そこで、Aさんが借金が完済される前に亡くなった場合、Bさんは相続を放棄することで借入金の返済を免れます。

この場合、まずは現在の資産と負債の状況を正確に把握しましょう。

仮に資産よりも負債が多かったとしても、生前に状況を把握しておくことで心の準備ができます。

相続を承認する場合も、単純承認だけではなく、場合によっては限定承認による方法を検討することができます。



◼︎相続放棄しても死亡保険金を受け取れる!?

死亡保険金は、生命保険契約によって受取人が指定されることで、遺産分割協議に左右されることなく、受取人固有の財産になります。

たとえ、相続を放棄したものであっても、死亡保険金を受け取ることができるのです。

特定の受取人が指定されておらず、死亡保険金受取人を単に相続人と指定している場合も同様です。

 

被相続人の債務について、相続を放棄して返済を免れる行為は詐害行為(債権者を害することで知ってした法律行為)にはあたりません。

最高裁判例を紹介します。

 

<最高裁判例 昭和49年9月20日判決 抜粋>

相続の放棄のような身分行為については、民法四二四条の詐害行為取消権行使の対象とならないと解するのが相当である。(中略)相続の放棄のような身分行為については、他人の意思によつてこれを強制すべきでないと解するところ、もし相続の放棄を詐害行 為として取り消しうるものとすれば、相続人に対し相続の承認を強制することと同じ結果となり、その不当であることは明らかである。

 

このように相続放棄は、詐害行為取消権の対象にはなりません。

しかし、被相続人が生前に債務超過に陥っている状態で相続人に多額のお金をあげた場合は詐害行為取消権の対象となります。

仮にAさんが債務超過の状態のときに生命保険料を支払って、Bさんを保険金の受取人に指定した場合、それは債権者から詐害行為として訴えられる可能性があります。

Aさんは、余裕があるときに生命保険に加入し、Bさんが死亡保険金を確実に受け取れるようにしておきたいものです。

 

相続放棄は相続の開始を知った時から3ヶ月以内に行うものとされています。

相続放棄の申述は単独で家庭裁判所に対して行います。

他の相続人が気づかないことがあります。

通常、次順位以降の相続人であれば、自己のために相続の開始があったことを知った時が遅くなります。

そのときから3ヶ月の熟慮期間となります。

しかし、同順位の場合は、一般に熟慮期間の起算点が同じなので他の相続人が想定外の展開に困惑してしまうおそれがあります。

先の事例ではCさんの次順位の相続人がいた場合を考えてみます(Dさんとしましょう)。

その方が自分が相続人であることを知った日から3ヶ月以内に相続を承認するか放棄するかを決断しなければいけません。

DさんがAさんの事業や資産・負債をどの程度把握しているかにもよりますが、Dさんがいきなり相続人になったことを知ると、相続財産の管理をめぐって親族間でもめる原因となります。

この場合、Cさんが相続放棄することをDさんに資産や負債の状況を合わせて伝えることで、Dさんは心の準備ができます。

相続放棄をする際は他の相続人にもその効果が及びます。

早め早めに決断して、相続人間で資産や負債の状況を共有することは、もめる原因とならないよう心がけたいケアでもあります。

 

◼︎結び

 

生命保険金を活用した相続について紹介しました。

だいぶ複雑になってしまいましたね😲

ただ、現実問題としてはこれは単純なケースであり、複雑なケースというのは山ほどあります。

その中でも借金を抱えている場合の相続はもめやすい傾向にあります😯

そうなる前に、もめないための専門家である行政書士に相談してはいかがでしょうか。