遺産分割の割合はどうやって決める?(1)遺産分割の割合決定方法

行政書士のみつおです😀

 

遺産分割という言葉を聞くことはありませんか?
しかし、法定相続分とどう違うのか、詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。


そこでこの記事では、相続財産はどのような割合で誰が相続するか、遺産分割との関係を解説します。

 

 

■遺産分割の割合決定方法

法定相続分とは違う割合で相続したい場合、相続人全員で行うのが遺産分割協議です。
遺産分割の効力や預貯金に関する例外、遺産分割の方法などを確認していきましょう。

 

■遺産分割の効力と方法

まず、遺産分割の効力や方法などを見ていきます。

□遺産分割の効力

被相続人が亡くなり、相続人全員で遺産分割しないかぎり、相続財産は相続人全員の共有財産となります。

 

これは、相続人の自宅かどうかなどとは、関係ありません。
相続人全員の共有財産となった相続財産の所有割合は、各相続人の法定相続分により定まります。
法定相続分については後述します。

□遺産分割の例外

各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち一定の額の範囲内においてのみ、単独で権利を行使することができます。

 

ただし、この額は標準的な当面の必要生計費、平均的な葬式の費用の額その他の事情を勘案して定められる範囲内となります。
この預貯金に対する例外は、遺産分割前は被相続人の預貯金を引き出すことができず、生活費や葬祭費に困窮する相続人がいるためです。

遺産分割の方法

「共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部または一部の分割をすることができる」と民法に定められています。

 

つまり、相続人はいつでも自由に、相続財産の全部であっても一部であっても遺産分割できるということです。
ただし、遺言書があればその定めに従います。

 

また、遺産分割協議が整わずに家庭裁判所の調停を利用した場合、一般的には法定相続分割合で、各財産を分けることが多いでしょう。
「法定相続分割合で、各財産を分ける」とは、不動産は長男、預貯金は次男が、法定相続分に見合った範囲で相続するという意味です。

 

遺産分割をすると、その効果は相続開始の時にさかのぼって生じます。
つまり、相続開始時から、遺産分割により取得した相続財産の権利を有するということです。
ただし、遺産分割により、第三者の権利を害することはできません。

 

■結び

今回は遺産分割の割合決定方法について解説していきました。

次回は、法定相続人の優先順位などについて触れていきたいと思います。