障がいを持つ子を育てるあなたへ(2) 任意後見制度の活用

行政書士のみつおです😀

 

私には、2歳の息子がいます。
幼稚園に通う予定です。
今、幼稚園は3歳から無償で通えるようになっています。
少子高齢化が進むと、昔では思いもよらないことが普通になります😅


意外と幼稚園代も安くはないので助かっています😄

 

リンク:「障がいを持つ子を育てるあなたへ(1) 親亡き後問題とは?」

さて、この記事では、前回紹介した「親亡き後問題」について考えていきます。

 

■判断能力を失った場合への対策

 

障がいを持つ子への相続を考えるとき、問題の1つとして、Aさんが認知症等で判断能力を失った場合があります。

このとき、Cさんや施設に金銭を給付できなくなるリスクが浮かび上がりました。

今回は、このリスクへの対策を考えていきます。

 

Aさんを被後見人とする任意後見制度の利用を検討します。

この場合の任意後見人候補者はBさん、Dさんまたは行政書士、弁護士等の専門職です。

複数後見人とすることも可能です。

 

■任意後見契約を活用する

 

任意後見契約は公正証書で締結します(任意後見契約に関する法律3条)。

その条項でAさんがどのような法律行為を任意後見人に委任するかを規定しておきます。

 

任意後見契約が締結されたら、公証役場からの嘱託で東京法務局備付けの後見ファイル(登記簿)に締結の事実が登記されます。

 

そして、実際にAさんが判断能力を失い、家庭裁判所に申し立てて任意後見監督人が選任されることによって任意後見契約が発効します(同法2条1号)。

そこで任意後見人がCさんや施設に給付していくことになります。

 

なお、後見人はAさんのためにAさんの財産を使うことが主眼になるため、扶養義務のあるCさんへの給付はともかく(民法877条1項)、施設への寄付を継続できるか否かは問題があり、少なくとも任意後見契約でAさんの意向を明確にしておく必要があります。

 

したがって、Aさんの意向を十分に理解しているBさんを任意後見人候補者として任意後見契約を締結しておくことがAさんの意志が実現しやすくなります。

 

ただし、成年後見の終期はCさんの死亡時であるため、Dさんも後見人候補者に加えて複数後見人で臨む態勢が必要になります。

もっともDさんは今後結婚して後見事務に携われなくなる可能性もあるので、行政書士、弁護士等との複数後見で臨むことも考えられます。

なお、任意後見人は任意後見監督人の監督に服します。

 

また、任意後見はAさんの死亡によって終了するため、その後のCさん等への給付はできません。

 

■法定後見契約を活用する

 

次にAさんが判断能力を失ってから法定後見制度を利用することも考えられます。

 

この場合、後見人候補者欄にBさん、Dさんを記入することができます。

しかし、家庭裁判所の後見審判で必ずしも親族後見人が選任されるとは限りません。

行政書士、弁護士等の専門職が後見人に選任される可能性があるほか、後見人Bさん、Dさんに専門職の後見監督人が付される場合があります。

 

もっとも、いずれにしてもDさんの協力が不可欠になります。

 

■結び

 

任意後見契約や法定後見を活用して、不測の事態に対応するにはどうするか、流れを説明してきました。

もちろん、自分の意向を実行しやすいのは判断能力があるうちから進めることです

 

自分のケースに当てはめると、どういう制度を利用するべきか迷うこともあるでしょう。

そういうときも行政書士にご相談ください。