会社経営者の相続で知っておきたい一番大切なこと

行政書士のみつおです😃

 

コロナウィルス感染症拡大にともない発出された緊急事態宣言が解除されました😐

私の娘もぼちぼちと小学校に通えるようになりました。

一年生なのに午後授業があったりします。休校で無くなった授業時間の穴埋めに学校の先生も対応に追われています😯

企業もテレワークへの対応が急務であったりします😲

 

少なくとも、コロナと共に生活することが必要なのです。

これをきっかけとして様々な変化はあります😷

全ての変化が悪いわけではありません。

学校もオンラインで済むようにタブレット端末を配布するという動きもあります😎

今の子どものデジタルな部分は正直羨ましくも感じています。

 

今回は会社を経営しておられる方の相続について書いていきます。

会社の社長さんであったりする人は、規模はともかくとしてたくさんおられます。

お子さんに会社を継いでもらいたい。

家業を継いでもらいたい。

反対に、

優秀な従業員に会社を経営してもらいたい。

たくさんの選択肢があると思います。

そういった経営者の方の参考になれば幸いです。

 

■事業承継計画とは

 

どのように事業を承継させるか、その計画を事業承継計画といいます。

経営の方針をたてるために事業計画を立てます。

今回はそれを承継させるための計画です。

 

事業計画は、これから何をするか、という点と今どんな状況か、という点が大切になります。

事業承継計画についても、会社を取り巻く状況を正確に認識する必要があります。

 

現在の財務面であったり、将来見込まれる需要であったり、従業員の状況。

今までリーダーシップをとってきた社長が亡くなるという状況を想定して、その計画を作ります。

創業者亡き後会社が傾いていく、という話はよく聞きます。

それだけに事業承継計画は会社の行き先を示す大切な羅針盤となるのです。

 

■親族内承継と親族外承継について



まずは、誰に継がせるか、後継者を選ぶことが第一です。

大きく分けて、親族内承継と親族外承継という方法があります。

 

□親族内承継

 

親族内承継とは、後継者を親族内から選定することをいいます。

後継者を早期に決定し計画的に準備できます。

さらに、内外の関係者から受け入れられやすいことなどのメリットがあります。

 

しかし、複数の相続人がいる場合に、いかに相続に係る紛争を回避しつつ経営権を後継者に集中させることができるかが課題です。

事業継承や相続に係る税負担を調整しつつ、円滑に納税することができるかなども課題です。

法務面や税務面を中心として複雑な課題があるのが、親族内承継の特徴です。

 

□親族外承継

 

親族外に後継者を求めるパターンです。

親族内に適切な後継者がいないときはこうなります。

従業員から後継者を選定する場合と広く外部から後継者を選定する場合があります。

従業員への承継は、特に社内で長期間勤務している従業員が後継者になる場合には、経営の一体性を保ちやすいというメリットがあります。

 

一方、従業員も含めて身近に後継者がいない場合には広く外部から後継者を選定することになります。

事業の変化に対応することができる有能な人材を獲得する好機にもなります。

また、現経営者が株式を売却することにより利益を得る可能性をも探ることができます。

上記の場合はいずれも、後継者に現経営者が保有している株式をかいとることができる視力があるかどうかが課題となります。

資金調達してもいいんですけれども。

 

■議決権の集中について

 

会社経営の観点からは、迅速、かつ確実な意思決定を行うことが必要です。

そのために、後継者や友好的な株主に議決権の相当数を集中させることが望ましいです。

過半数の議決権を確保することはもとより、重要事項を決議することができる3分の2以上の議決権を目安です。

その割合まで後継者および友好的株主が議決権を集中的に保有することが望ましい状態です。

最低ラインとしては、重要事項を否決することができる3分の1以上の議決権を確保することが経営権確保のためには必要です。

 

■結び

 

今回は、会社の承継について、説明しました。

行政書士は株式会社の定款を変更したりする業務も行っています。

相続の話を一緒に会社の承継についても相談されると良いでしょう。

会社の議決権の話はとても大切で、どうやってその議決権を確保するか、そういった話題も今後取り上げたいと考えています😇

骨肉の争い これは揉める遺言 私というものがありながら

行政書士のみつおです😃

 

火サスって番組が昔あったことをご存知の方もいるかもしれません😈

番組表に特徴がある2時間のドラマのことです。

その番組表を一読しただけでそのドラマの内容が大体わかる、というのが特徴です😉

 

コロナウィルス感染症の影響でテレビも再放送が多いですよね😷

小学生の娘は小学校にも行けず、家で暇をしています。

最近たまに火サスの再放送を見ることがあります。

相続を題材にしていることも多いですね。

実際なぜそんなことが起きるのか?そういった背景を紹介できればいいなと思っています。

 

今回は少しおかしなタイトルと感じています。

このブログの中でも、相続は揉めやすい、ということを伝えてきました。

「兄弟は仲がいいし、喧嘩もしない」

「揉めるような財産はない」

とうそぶくような被相続人は多いです。

しかし、そのような関係は被相続人が生きていらっしゃることが大きなファクター担っていることが多いです。

実際の相続の場面に被相続人は生存しておりません。

そういった状況の違いが揉め事に発展しやすいのだと感じています。

今回はそういった揉め事に発展しやすいケースを紹介します。

そのときはどういった対応をすれば良いのでしょうか。

 

◼︎遺言に遺留分の侵害がある場合

 

法的に有効な遺言書で遺産の分与先などの指定があるとしましょう。

相続人は原則的にそれに従う義務があります。

しかし、その内容が極端に特定の相続人に手厚く相続させる場合があります。

また、第3者への遺贈である場合もあります。

その場合は他の相続人は遺留分に相当する額を受ける権利があります。

 

端的にこういう場合が遺言書にあるとき、揉めやすくなります。

行政書士はこのようなときは相続人には遺留分の権利があり

それを超えるような事がないようにアドバイスします。

こういう場合どうなるか、というときは是非ご相談ください。

 

◼︎揉める遺言のリーディングケース

 

□長男に全てを相続させる

 

ここは長女でもいいのですが、とにかく子どもが複数いるのにもかかわらず、一人に集中した場合です。

家を継ぐ長男に全てを与える、ケースがあります。

これをやると、他の子が遺留分減殺請求をして、兄弟間のトラブルに発展します。

 

□再婚して今の奥さんとの間に生まれた子に全てを相続させる

 

これも前ケースの場合と同様です。

再婚して、現在の婚姻関係の中で生まれた子がいる場合にその子に全てを相続させるケースです。

これも連れ子(前妻の子)が遺留分減殺請求をしてトラブルに至ります。



□父親が愛人に遺産を全て相続させる

 

法定相続人以外の人に財産を相続させてしまった場合です。

俗いう、愛人などもこのケースに該当します。

遺言書を開けてみたら、愛人がいて、赤の他人に全ての財産を相続させていたときです。

遺された配偶者や子の生計をどうやって維持するのでしょうか。

配偶者や子は我慢ができません。

これも前述している時と同様に遺留分減殺請求をする、ということが考えられます。

 

◼︎遺留分について

 

遺留分について、軽く復習します。

遺留分は次のように決まります。

・直系尊属のみが相続人である場合は被相続人の財産の3分の1

・それ以外は被相続人の財産の2分の1

・兄弟姉妹には遺留分は認められない

・相続人が複数いる場合は法定相続分の割合に従って配分する

 

親だけが相続人だったら3分の1です。

配偶者や子が相続人の場合は2分の1です。

配偶者と子2人が相続人の場合は、全部で遺留分は2分の1、配偶者は4分の1、それぞれの子は4分の1づつ、ということです。

 

◼︎遺留分を侵害した遺言への対応

 

さて、自分にも遺留分がある辛抱堪らない相続人たちは遺留分減殺請求をします。

その請求は遺言書による指定で利益を受ける者に対して行います。

被相続人の死亡によって、相続人は生活に多大な影響を受けます。

被相続人の収入によって生計を立てていたらなおさらです。

 

そこで気になるのが、相続人はどうやって当面の生活資金を得るか、です。

遺留分減殺請求の相手は遺言書の指定で利益を受ける人が対象です。

銀行など金融機関は減殺請求を受ける立場ではありません。

銀行によっては、遺言書の内容が他の相続人に対する遺留分の侵害があってもその内容に従って払戻すという対応をするところがあります。

それは詳しくは被相続人の取引銀行に問い合わせる、ということになります。

 

しかし、預金を払い戻す前に、遺留分を侵害された妻や子から金融機関に対して払戻しを待ってほしいと申し出る事もできます。

「遺留分減殺請求権を行使する予定であり、遺留分に相当する金額は払戻さずに留保したい」という場合です。

こういう場合は遺言によって利益を受ける相続人に了解を求め、申し出に該当する金額について払戻しを留保することになるでしょう。

後は当事者同士での問題解決の話になってきます。

 

◼︎結び

 

今回は遺留分の侵害をテーマに、こういう内容があるときはトラブルに発展する可能性が高いとして紹介しました。

実際は複数の相続人の利害を調整する作業が遺言書作成の時にあります。

そして実際被相続人の財産を継がせたいという気持ちもあるでしょう😇

そういうときはぜひ行政書士へご相談ください。

遺言で自由に指定ができると言っても、トラブルに発展する事は本懐ではないでしょう。

それを未然に防ぐ予防法務の専門家へアドバイスを求めてはいかがでしょうか。

こんな使い道があった 生命保険を活用した相続対策

行政書士のみつおです😃

 

1歳の息子がいますが、この頃意味のある言葉を発するようになりました。

以前、彼はビーバービーバーとしか言わない、ということをブログに書きました。

最近、実はピーポーピーポー(救急車のサイレンの音)と言っているのかな、と考えています😅

男の子はみんな車や電車が好きなんですかね?

日本では鶏の鳴き声「コケコッコー」を英語では「 cock‐a‐doodle‐doo」と言ったりします😉

それと似たようなものかなと考えています😎

1歳児は何を考えているのか興味津々です。

 

◼納税資金対策

 

相続財産のほとんどが不動産や自社株式など、換金がはばかられる資産のケースを考えてみましょう。

預金が少ない場合、どうやって相続税を捻出するかが問題となります。

どうしても納税できないとなると、売却せざるをえなくなります。

 

そこで、納税資金を確保するための方法として生命保険があります。

死亡保険金は、受取人固有の財産となります。

相続において承継される資産の中に相続税の納税にあてる現金を用意できることができます。

また、相続人においては相続税の納税資金にあてることができる現金を用意できます。

上記の現金の用意として両面兼ね備えることができるのです。

 

生命保険もいろいろな種類がありますね。

納税資金対策として生命保険を活用する場合には、一生涯にわたって保証が続く終身保険が適しています。

また、期間を定めて保険料を払い終える有期払込といった払込み方法が適しています。

保有している資産の状況から相続税額や必要とされる納税資金を算出し、保険金や受取人を指定します。

それが生命保険活用の第一歩です。

 

◼︎借金がある場合の相続

 

以下のようなケースを考えてみましょう。

Aさん(被相続人)、妻Bさん、長女Cさんが登場人物で、他の相続人はいないものとします。Aさんは事業を経営しており、借金があります。

またBさんは連帯保証人ではありません。

 

このようなケースは、生命保険を活用することでBさんに借金を負わせず財産を残すことができます。

おさらいになりますが、相続が発生すると、被相続人のプラスの債権だけではなくマイナスの債務も承継します。

相続人はいきなり権利義務が承継されると困ることになります。

そこで民法は3ヶ月間の熟慮期間を設けて、相続を承認するか放棄するかを判断するするかの時間を作りました。

その期間内に相続人が被相続人の財産上の法律関係を把握します。

 

そこで、Aさんが借金が完済される前に亡くなった場合、Bさんは相続を放棄することで借入金の返済を免れます。

この場合、まずは現在の資産と負債の状況を正確に把握しましょう。

仮に資産よりも負債が多かったとしても、生前に状況を把握しておくことで心の準備ができます。

相続を承認する場合も、単純承認だけではなく、場合によっては限定承認による方法を検討することができます。



◼︎相続放棄しても死亡保険金を受け取れる!?

死亡保険金は、生命保険契約によって受取人が指定されることで、遺産分割協議に左右されることなく、受取人固有の財産になります。

たとえ、相続を放棄したものであっても、死亡保険金を受け取ることができるのです。

特定の受取人が指定されておらず、死亡保険金受取人を単に相続人と指定している場合も同様です。

 

被相続人の債務について、相続を放棄して返済を免れる行為は詐害行為(債権者を害することで知ってした法律行為)にはあたりません。

最高裁判例を紹介します。

 

<最高裁判例 昭和49年9月20日判決 抜粋>

相続の放棄のような身分行為については、民法四二四条の詐害行為取消権行使の対象とならないと解するのが相当である。(中略)相続の放棄のような身分行為については、他人の意思によつてこれを強制すべきでないと解するところ、もし相続の放棄を詐害行 為として取り消しうるものとすれば、相続人に対し相続の承認を強制することと同じ結果となり、その不当であることは明らかである。

 

このように相続放棄は、詐害行為取消権の対象にはなりません。

しかし、被相続人が生前に債務超過に陥っている状態で相続人に多額のお金をあげた場合は詐害行為取消権の対象となります。

仮にAさんが債務超過の状態のときに生命保険料を支払って、Bさんを保険金の受取人に指定した場合、それは債権者から詐害行為として訴えられる可能性があります。

Aさんは、余裕があるときに生命保険に加入し、Bさんが死亡保険金を確実に受け取れるようにしておきたいものです。

 

相続放棄は相続の開始を知った時から3ヶ月以内に行うものとされています。

相続放棄の申述は単独で家庭裁判所に対して行います。

他の相続人が気づかないことがあります。

通常、次順位以降の相続人であれば、自己のために相続の開始があったことを知った時が遅くなります。

そのときから3ヶ月の熟慮期間となります。

しかし、同順位の場合は、一般に熟慮期間の起算点が同じなので他の相続人が想定外の展開に困惑してしまうおそれがあります。

先の事例ではCさんの次順位の相続人がいた場合を考えてみます(Dさんとしましょう)。

その方が自分が相続人であることを知った日から3ヶ月以内に相続を承認するか放棄するかを決断しなければいけません。

DさんがAさんの事業や資産・負債をどの程度把握しているかにもよりますが、Dさんがいきなり相続人になったことを知ると、相続財産の管理をめぐって親族間でもめる原因となります。

この場合、Cさんが相続放棄することをDさんに資産や負債の状況を合わせて伝えることで、Dさんは心の準備ができます。

相続放棄をする際は他の相続人にもその効果が及びます。

早め早めに決断して、相続人間で資産や負債の状況を共有することは、もめる原因とならないよう心がけたいケアでもあります。

 

◼︎結び

 

生命保険金を活用した相続について紹介しました。

だいぶ複雑になってしまいましたね😲

ただ、現実問題としてはこれは単純なケースであり、複雑なケースというのは山ほどあります。

その中でも借金を抱えている場合の相続はもめやすい傾向にあります😯

そうなる前に、もめないための専門家である行政書士に相談してはいかがでしょうか。

要件不備? 遺言が無効にならないために知っておくべきこと

行政書士のみつおです😃

 

娘は小学一年生です。

コロナウィルス感染症の影響で、小学校にも行けず家でゴロゴロしています。

教育を受ける権利を全うできず可哀想ですが、こればっかりはどうしようもありません😷

緊急事態、ですしね😅

そういえば、アイザック・ニュートンはペストが流行したときに学校に丸2年いけなかったという話があります。

ロンドンにあるケンブリッジ大学に通っていた時のことです。

その期間で万有引力のきっかけをつかみ、彼はその2年間を「創造的休暇」と捉えています。

 

物事には常に複数の側面があります。

どうしようもないことは受け入れるしかありません。

ただ、それをどう生かすかはその人次第にはなってくることが唯一の救いでしょう😊

 

 

さて、他の記事でも遺言の種類には触れました。

この記事では、相続人が生前ご自分で書かれた遺言書を中心に考えていきましょう。

こういう自分の手で書いた遺言書を「自筆証書遺言」といいます。

 

ついでですが、読み方について触れておきます。

遺言ですが、法律上は「いごん」と言います。

「いごん」というときは、法律上に効力のある遺言のことを指します。

「ゆいごん」という読み方もあります。

「ゆいごん」という話をするときは、家族に対して遺す言葉、というニュアンスです。

そういう違いはあるものの、相談される時はどちらでも通じるので大丈夫です。

大切なのは、自分の言葉を遺したい、という気持ちだと考えています。

 

◼︎遺言についておさらい

 

遺言書の遺産処分などの指定は、相続人に対して拘束力があります。

相続人は原則的にその指定に従うべき義務があるといってもいいでしょう。

原則的に、とは例外もあるということです。

例えば、遺言の内容に相続人以外への遺贈が含まれていない必要があります。

そして、共同相続人全員が合意をした場合、遺言内容とは異なる遺産分割協議を成立させることができます。

こういう例外はあるものの、それは遺言書が法的に有効な場合に限られます。

 

◼︎自筆証書遺言と公正証書遺言の違い、自筆証書遺言の要件

 

遺言書として法的な要件が満たされてはじめて遺言書となります。

そういった間違った(法律的には「瑕疵がある」といいます)遺言書は、それが有効か無効か問題視されます。

この点では、公証人が作成した公正証書遺言については問題視されることはありません。

 

自筆証書遺言が満たすべき要件はたくさんあります。

・全文自筆で作成日付の記載がある(財産目録はパソコンでもOK)

・遺言者の署名・捺印がある

・加除・変更の指示、変更した旨の付記・署名、変更箇所への押印

・2人以上の者による同一証書での作成禁止

・家庭裁判所による検認

これらを一つ一つ満たさなければなりません。

せっかく自分の言葉を遺したいと考えたとき、この遺言の効力が疑われてはどうでしょう。

被相続人がもし自分の死後の様子を見たらがっかりすることでしょう。

 

◼︎遺言が無効となった判例

 

では、遺言書の有効・無効が争われて無効なケースとなった場合はどういうものがあるでしょうか。

 

①作成日付を吉日とした遺言(最判昭和54年5月31日民集第33巻4号445頁)

 

「『昭和四拾壱年七月吉日』と記載されているにとどまる場合は、暦上の特定の 日を表示するものとはいえず」

 

という理由です。

 

②斜線が引かれた遺言書は故意に遺言書を破棄したときに該当する(最判平成27年11月20日民集第69巻7号2021頁)

 

 

 

「斜線を引く行為の一般的な意味に照らして,上記遺言書の全体を不要のものとし,そこに記載された遺言の全ての効力を失わせる意思の表れとみる」ので破棄した、とされています。

 

③自筆証書遺言に施された花押は押印とは認められない(最判平成28年6月3日民民集第70巻5号1263頁)

 

 

花押とは文字をデザインして図案化したものです。

 

「我が国において、印章による押印に代えて花押を書くことによって文書を完成させるという慣行ないし法意識が存するものとは認め難い」

 

 

とされています。

 

◼︎遺言が有効となった判例

 

では逆に有効となったケースはどのような場合があるでしょうか。

 

①自筆証書遺言の日付が真実の作成日付と相違しても、それが誤記であることおよび真実の作成の日が遺言証書の記載その他から容易に判明する場合(最判昭和52年11月21日集民第122号239頁)

 

②自筆遺言証書における押印は指印をもって足りる。(最判平成元年2月16日民集第43巻2号45頁)

 

花押を押して無効になったケースがあります。

それと比較しても拇印の場合は「指印があれば印章による押印があるのと同等の意義を認めてい る我が国の慣行ないし法意識」があるためとされています。

 

◼︎何が困るか?

 

有効の場合は問題ないのですが、無効の時は何が困るでしょうか。

例えば、その遺言内容で預金を相続する、とされた相続人は困ります。

銀行の立場では、遺言書の有効性を判断することは不可能なので、有効なものとして手続きすることができません。

銀行としてはその瑕疵がある内容を指摘して司法判断を求めるように勧められる場合があります。

また、全相続人に対してその「瑕疵がある」ことを明示して、それでも遺言者の遺志を尊重し、遺言内容通りに処理することに異議がないか照会されるかもしれません。

 

その結果、スムーズに預金を払い戻すことができなくなります。

自分の気持ちを遺す、ということが難しくなってしまいます。

 

◼︎結び

 

自筆遺言証書に求められる家庭裁判所の手続きは単純に遺言書の状態を保全するための手続きです。

遺言書の有効性を充足する手続きではありません。

 

そういうことを回避するため、行政書士に自筆遺言証書の有効性を相談することをお勧めします。

それでも、家庭裁判所による検認などが必要です。

ですので、もっともお勧めは公正証書遺言を作成し後顧の憂いをなくすということです。

何のため遺言を残すか、行政書士が相談に乗ります😉

相続財産の預金払い戻しについて、遺族が知っておいて欲しいこと

行政書士のみつおです。

6歳の娘がいますが、この間幼稚園を卒園しました😃
COVID-19(新型コロナウィルス感染症)が広まる今日この頃です。
卒園式は開催も危ぶまれてきました。
園児や先生、保護者も皆マスクをする中行われました😷
集団感染は私の近所では発生していないようですが、ギリギリの判断のもと行われたようです😅
人と人との接触を8割削減することの難しさを日々感じています😷

◼︎家族の取引銀行知っていますか

生活資金の大部分を賄っている一家の大黒柱のお父さんが死亡したことを考えてみましょう。
こういうケースでも家族はお父さんが取引している金融機関を知らない場合があります。
地元の銀行ばかりではありません。
ネット銀行、ネット証券など、IDとパスワード類がなければアクセスできない金融機関もあります。
どこに口座があるか、知らなければ途方にくれてしまいますね。
こういった金融機関に預けている預金や証券も相続財産になります。
それらは名義変更や払戻しをしていかなければいけません。
いざ相続が発生してもそういった金融機関の取引口座が不明なケースがあります。
残された家族が知らなければずっと金融機関の口座で眠り続けることになります。
大前提として、それらはリスト化して相続財産目録として作成することをお勧めいたします。
有価証券など時価で変動する場合があっても銘柄などを記載しておけば相続財産の価額を算出することができます。

相続財産の所有は人それぞれです。
不動産や火災保険、生命保険、自動車や負債についても記載しておきましょう。
「年をとると物忘れがひどくなる」という方もいます。
なかなか思い出せなくなって困っている方も多いです。
まだまだ元気だから必要でない、という考えも分かります。
ただ、いざというときに家族が困ることを考えて早め早めの準備が望ましいですね。

◼金融機関の対応

このブログでも大切なことなので重ねて取り上げてきましたが、判例変更がありました。
最高裁大法廷の平成28年12月19日付決定です。
従前、共同相続における預金債権は、可分債権とされていました。
相続開始と同時に各相続人がそれぞれの相続分に応じて分割して承継する、という立場です。
これを「分割法定承継」といいます。
しかし、先の決定においては遺産分割の対象とされたことにより、相続手続きは変更を余儀なくされることになりました。

複数名の相続人がいる場合、被相続人に帰属していた預金債権は相続人の準共有となります。
所有権の場合は共有とされますが、法律上の効果は同じです。
金融機関は相続開始後は相続人全員に対して善管注意義務を負うことになります。
これに抵触する行為は金融機関が損害賠償義務を負うことになります。
合理的な理由がないのに被相続人名義の預金を特定の相続人に対し全額払い戻すケースなどです。

そのため金融機関は払戻取引が生じないようにするための措置を施します。
貸金庫を借りている場合は新規の入出庫が発生しないようにします。
投資信託や公社債、金投資などもそうです。

金融機関はこういう措置をとることを知っておいてください。
相続開始後の相続人の心情は総じて不安定です。
葬儀をするにもお金が必要です。
日頃銀行はニーズに応えてくれていたのに、相続を開始したら払戻しに書類がいると言われ、感情的に対立するケースもあります。
ですが、金融機関には金融機関の事情もあることもご理解ください。

◼︎葬儀費用の払戻し

葬儀費用の払戻しを遺産分割協議前にするにはどうしたらいいか。
このケースは銀行のリスク判断によることになります。
銀行にとって、便宜扱いとなるケースです。
ですので、詳しくは被相続人の取引銀行の窓口へ問い合わせることになります。

この便宜扱いですが、以下のような条件を整えていくことで銀行が応じてくれるケースがあります。
一部を紹介します。

・相続人が店勢圏内に住んでいて、前から取引関係にある
・遠方居住者であっても、社会的立場などから勘案し、後日何か修正する事態となった際に確実に応じてもらえるとの確信が持てる相続人である
・多くの相続人が払戻しに賛同している
・預金の払戻し方法を病院や葬儀社の請求書を確認し、それらの金融機関口座への振込にする

もちろん、取引銀行によっては全く違うケースもあります。
ただ、銀行と信頼関係を築くことを考えていけば払戻しには応じてくれるケースもあります。
それを念頭に置いていただけたらと思います。

◼︎結び

相続開始直後の金融機関の対応とその事情を紹介しました。
一家の大黒柱が亡くなった時など、その家族の心情は察するに余りあるものです。
ですが、生前から少しから準備をすることで少なくとも金銭面はスムーズに進めることができます😇
相続財産の状況は人によって様々です。
そういったことも相続専門行政書士へご相談ください。
なるべくスムーズに相続を行うためにまずは何をしたらいいか、一歩を踏み出しましょう🙋

遺言のメリット

行政書士のみつおです😃

 

6歳の娘がいます。

最近、ずっとしゃべっていますが、なかなか本題に進みません😃💦

えっとね、あのね、えっとね、あのね、ばっかりです😅

先の話が気になります😯

 

◼︎遺言とは?

 

遺言は、所有している財産の処分を遺言者の死後にまで認める制度です。

遺言書という形で書面にすることで、その内容に従って遺産を分割することができます。

そのため、遺言書は民法で厳格な方式が定められ、普通方式や特別方式があります。

特別方式は危急時などに普通方式の遺言ができない場合に認められる簡便な方式です。

通常は普通方式です。

普通方式の遺言は、自筆証書、公正証書、秘密証書の3つの方式があります。

 

◼︎遺言にはメリットしかない

 

遺言には、メリットしかありません。

ですので、迷われている方は是非遺言書を作成することをお勧めいたします。

行政書士にご相談ください。

では早速ですが、遺言を残すことでどんなメリットがあるか紹介していきます。

 

◼︎メリット1 法定相続分に優先する

 

民法で定められていることは、法定相続分の割合です。

遺言書がなければ、具体的に誰がどの財産を相続するか話し合います。

そして相続人全員が合意しなければ遺産分割をすることができません。

このため、被相続人の意に反して分割されることがあります。

また、協議がまとまらずに何年も放置されることがあります。

 

実際、いざ相続となれば遺産の分割方法をめぐって揉めることはよくあります。

「兄弟仲は良いし、いさかいなどするはずがない」

「そもそも奪い合うほど財産はない」

そんな場合でもふとした行き違いから揉めます。

 

相続人が多忙の中で手続き面の煩雑さもあります。

ちょっとした行き違いから感情的にももつれ、遺産分割が進まなくなるのです。

 

配偶者と複数の子が相続人となるケースは、比較的スムーズに遺産分割が進みます。

配偶者が元気なうちは子達にも抑止力が働くからです。

これを一次相続のケースといいます。

 

配偶者もなくなっているケースを二次相続といいます。

そのような場合、これまで無意識に抑圧されていた感情が吹き出すケースがあります。

一次相続で既に分割した遺産の話まで蒸し返され、まとまる話もまとまらなくなります。

 

◼︎メリット2 財産の振り分けができる

 

被相続人が所有している財産や、生前置かれている状況はそれぞれ違います。

「子供には預金を残して、配偶者には住み慣れた自宅を残したい」という場合もあります。

被相続人が会社経営者の方や農家の方である状況もあります。

「事業基盤となる会社株式や農地を、後継者となる者に確実に残したい」と願うかもしれません。

 

このように具体的な財産を誰に相続させるか、主導権を発揮することができるのです。

相続においては、実はこの「誰に何を残すか」というのが最も重要なポイントです。

遺産分割協議の場合、この点が最も紛争に発展する要素を含んでいます。

経営者の方なら円滑な事業承継のためにも、遺言は非常に有効な手立てといえます。

 

また、遺言者が死後に財産を他の者(相続人に限らず)に無償で譲与することもできます。

相続人以外の人や法人組織にも自分の財産を分け与えることが可能になるのです。

例えば、親身になって面倒を見てくれた息子の嫁に財産分けをすることもできます。

内縁関係の配偶者にも遺産を残すことができます。

自分が死んだ時に学校や公益財団法人に寄付することも可能です。

なお、このように相続人以外の人や法人に相続財産を遺すことを遺贈(いぞう)といいます。

 

事実婚の子どもを認知することさえ、できるのです。

 

◼︎メリット3 相続手続き事務の負担軽減

 

遺言書は法律上の様々なメリットが与えられています。

結果として、相続人の間の揉めごと防止に極めて有効だというのが最大の理由です。

 

しかし、それだけではありません。

遺産分割協議をする労力も時間も必要なくなります。

10カ月という時間的制約のある相続税申告への対応負担も少なくなります。

別の記事で相続開始後の手続きの流れについて触れました。

残された遺族は大変忙しくなります。

不慣れであるが、期限のある手続きが山積しています。

そんな中、被相続人が遺志を目に見える形で示せる遺言書は役に立ちます。

遺族の心の拠り所となるのではないでしょうか。

相続人の心理的負担感が大幅に軽減されるメリットも覚えておいてください。

 

◼︎遺言書の注意点

 

このように相続の現場で大変役に立つ遺言書ですが、それでも注意点があります。

被相続人が残された遺族を顧みなかった場合です。

自分の財産を赤の他人に遺贈する、としたら大変ですよね。

配偶者や子にも生活があります。

そのような場合は遺産分割協議を行ってください。

 

実際には遺言とは異なった形で遺産の分割も行われています。

相続人全員の合意があれば遺言とは異なる内容の遺産分割協議も有効に成立します。

民法は、被相続人と一定の近親者に財産を承継させることを原則としています
しかし、そのうえで、死者は自己の意思によって自分の選んだ者に財産を承継させることができるとしています。

これが遺言の法的な位置づけです。

相続においては遺言が優先されることになります。

 

しかし相続人が遺言内容に従わず、相続人間での協議による遺産分割を希望する場合も多々あります。

このように遺言内容と異なる遺産分割協議も認められます。

民法では、「相続人全員の合意」による場合には、被相続人の遺言による遺産分割方法の指定に反する遺産分割協議も有効に成立するとしています。

相続人全員が、遺言の存在を知り、その内容を正確に理解している必要はあります。

そのうえで遺言の内容と異なる遺産分割協議書を作成すれば、その遺産分割協議書は有効な遺産分割協議書となるのです。

 

ただし、被相続人が遺言執行者を指定した場合は、遺言執行者が相続財産の管理処分権限を有します。

その場合は遺言執行者を加えたうえでの協議が必要です。

一人でも同意できない人がいれば、遺言通りに相続を行わなければならないということになります。
 

◼︎結び

 

遺言書のメリットと注意点について見てきました。

作成していただけたら相続に役に立つことが分かります。

 

ところで、遺言ではどんなことを指定できるのでしょうか。

遺言書は遺族に対する遺言者のメッセージですから、特に内容の制限はありません。

法律的には財産の処分、相続、身分に関することが規定されています。

上記以外の事項については、法律上効力はありません。

しかし例えば家訓の遵守や感謝の言葉などを盛り込むことにより、遺言者の意思や心情を伝えることもできます😇

 

この内容の遺言を残すことは将来揉め事を起こさないだろうか。

そういう場合も行政書士にご相談ください。

紛争を未然に防ぐ予防法務のプロフェッショナルとしてアドバイスいたします。

相続できるもの、できないもの

行政書士のみつおです😉

 

ラーメンが好きです😁

店舗で行くときはこってりしたラーメンが好きです🙌

チェーン店でも美味しいラーメン屋さんがありますね。

コラーゲンがはいっているどろどろのスープが好きです🙆

■遺産って何?

 

ここでは、遺産分割協議の対象となる、遺産とはどんなものを指すか解説していきます。

民法では、

「相続により相続人は原則として被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」

と規定されています(第896条本文)。

この権利義務のことを相続財産という言葉で呼んでいます。

遺産という言葉と相続財産はほぼ同じ意味と考えて大丈夫です。

 

一切の権利義務、と書かれていますので借金などマイナスも財産も含むとなります。

不動産とかプラスの財産だけではないので注意が必要ですね。

マイナスの財産も相続財産であるということは、相続の手続きに影響を及ぼします。

それはまた相続の流れの説明のときにでも詳しく説明していきます。

 

■相続財産にならないもの

 

「原則として被相続人の財産に属した一切の権利義務」を相続するのですが、例外もあります。

例えば一身専属権や祭祀権がそれにあたります。

 

一身専属権とは、相続や譲渡などのできない本人だけがもつ権利を言います。

具体的には、行政書士の資格が例です。

資格は世襲できないものです。

親がとったからといって子が引き継げるものでも、譲り渡すこともできない性質のものだからです。

 

また、祭祀権は祭祀財産を管理する権利です。

これも相続できません。

祭祀財産の種類として「系譜」「祭具」「墳墓の所有権」の3種類が民法に規定されています。家系図、位牌、仏壇、仏像、墓石や霊屋のことです。

これらは相続税の対象にもなりません。

対象にはなりませんが、高額な純金の仏像などを被相続人が生前に購入したなどは相続税の対象となることがあります。

この話題について掘り下げたい方は税理士の先生を紹介しますのでお気軽に。

 

それでは相続財産にはどのようなものがあるでしょうか。

以下で確認していきます。

 

■預金債権

 

最高裁平成28年12月19日決定(金判1510号37頁)、最高裁平成29年4月6日決定(金判1521号8頁)で「相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となるものと解するのが相当」とされています。

長らく相続開始と同時に相続分に応じてそれぞれ共同相続人に分割される、とされていました。

銀行の実務運用と最高裁の判断が食い違っていたケースです。

これにより、それまで銀行は葬儀費用や生活費といった一時的な払戻しに応じることができたのですが、現在は銀行はリスクを負担することなしに払戻しに応じることができなくなっています。

大切なことなので、また別の機会に詳しく書きます。

 

金融機関によって払い戻すために必要となる書類が異なります。

概ね遺産分割協議が整うまでは払い戻しできません。

 

■委託者指図型投資信託受益権

 

投資信託でお金を運用していた場合、その投資信託の運用収益などの利益を受益者が受ける権利が相続できます。

 

投資信託では保有者の受益権が均等に分割されます。

保有者は保有口数に応じて、信託財産の運用収益の分配金を得ます。

また、運用が終われば償還金を得ます。

信託財産の一部解約請求、受益権の買取請求などの権利を持ちます。

上記の権利のほか、信託財産に関する帳簿書類の閲覧または謄写の請求権等、受託者に対する監督的機能も相続します。

 

 

■個人向け国債

 

社債も同様、遺産分割の対象です。

国債は最低1万円単位から1万円単位で買えます。

それ以下1000円などでは中途換金ができません。

1万円単位での中途換金になります。

登録簿に公社債の要項、権利者の住所・氏名、権利の内容等を記載して、公社債についての権利を保 全する制度があるので、遺産分割の対象となっています。

 

■株式

 

株主たる地位に基づいて、剰余金の配当を受ける権利、残余財産の分配を受ける権利などです。

これらは自益権と呼ばれています。

株主総会での議決権などのいわゆる共益権も遺産分割の対象となります。



■不動産

 

土地や建物などのことです。

 

◼︎不動産賃借権

 

借家に住んでいた被相続人が借主であったときの、家や土地を借りる権利のことです。

これも相続の対象です。

ただ、公営住宅の場合は対象となりませんのでご注意を。

 

■動産、現金

 

家財などのことです。

現金も性格は動産ですので遺産分割の対象となります。

 

■ゴルフ会員権

 

預託金会員制、社団会員制、株式会員制の形態があります。

預託金会員制や株式会員制のものは原則として相続や遺産分割の対象となります。

ゴルフ会員権によっては理事会の承認を必須とする場合もあります。

また、男性から女性、またはその逆の承継を認めていない場合もあります。

他方で社団会員制の場合は一身専属制とされ、死亡により大会とみなされるのが通常です。

 

会費を滞納していた場合は共同相続人に法定相続割合で分割されるのが原則です。

しかし実際はゴルフ会員権を承継した人がその借金を背負うことが多いです。

 

■知的財産権

 

著作権は自然発生しますが、それ以外の特許権、実用新案権、商標権、意匠権等は登録が要件とされています。

これらのうち、著作人格権は一身専属権とされているので、それ以外は遺産分割協議の対象です。

それぞれ期限がある権利であり(商標権は再登録可能ですが)、その期限が到来したら消滅します。

 

■結び

 

令和元年7月1日以降に行われる、相続による法定相続分を超える部分について、または会社分割などの一般承継による著作権等の移転については、登録しなければ第三者に対抗することができないこととされています。

著作物の円滑な流通その他の様々な事情により、特定の相続人に全著作権を相続させたいという場合があります。

これまでは登録がなくとも自分が被相続人の著作財産権を相続したのだ、と第三者に主張できたことが、改正法施行後に生じた相続に関しては、著作権登録なくしては主張できなくなってしまいます。

 

相続人は、相続の承認または放棄をする前に、遺産の調査をすることができます。

この調査結果によっては、放棄や限定承認の手続きを家庭裁判所で申述することになります。

ネットバンクなどが普及し家族でもどの銀行と取引があるのか分からないケースもあります😲

ご家族はどういう金融機関と取引があるのか普段からお話しされてみてはいかがでしょうか。

どのくらい相続できるの?

行政書士のみつおです😊

 

私は妻に、話を全然聞いていない、と言われます😲

聞いているんですけどね😅

どうにも返事のしようがない話があります😯

 

◼︎相続分とは?

 

相続人が数人いるときは、相続財産は相続人の共有に属します。

各相続人はその相続分に応じて被相続人の権利義務を承継します。

相続財産は最終的には相続人間の遺産分割協議によって分割されます。

分割されるまで、相続人は、相続財産に対してそれぞれ相続分に応じた権利義務を有しています。

相続分は民法で規定され、法定相続分といわれています。

被相続人は遺言により共同相続人の相続分を定めることができます。

これを指定相続分といいます。

遺言による相続分の指定がある場合、遺留分の規定に違反しない限り、優先されます。

 

■法定相続分

 

法定相続分は、被相続人が遺言により相続分を指定していない場合に遺産分配の基準となります。

法定相続分は、相続人の身分によって異なります。

なお、子供、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いるときは、原則として均等に分けます。

 

■配偶者と子供が相続人である場合

 

配偶者1/2 

子供(2人以上のときは全員で)1/2

 

子が数人いるとき、子の法定相続分は均等になります。

かつて、非嫡出子(結婚していない男女間に生まれた子供)は嫡出子(結婚している男女間に生まれた子供)の相続分の2分の1とされていました。

しかし平成25年9月4日の最高裁決定により違憲とされました。

平成25年12月11日に民法が法改正され、非嫡出子も嫡出子と同じ相続分になりました。

この改正は平成25年9月5日以後に開始した相続に適用されます。

 

■配偶者と直系尊属が相続人である場合

配偶者2/3 

直系尊属(2人以上のときは全員で)1/3



直系尊属とは、父母・祖父母など被相続人より前の世代で、直通する系統の親族のことです。 

また、養父母も含まれます。 

叔父・叔母、配偶者の父母・祖父母は含まれません。

同じ親等の直系尊属が数人いるときは、その直系尊属の法定相続分は均等になります。

 

■配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合


配偶者3/4 

兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)1/4

 

兄弟姉妹が数人いるとき、兄弟姉妹の法定相続分は均等になります。

ただし、父母の一方を同じくする兄弟姉妹の(半血の兄弟姉妹)の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹(全血の兄弟姉妹)の相続分の2分の1になります。

 

■代襲相続分

 

被相続人の子が既に亡くなっている場合の、被相続人の孫のケースです。

この場合は、相続人となるべきだった者(被代襲者)の相続分を受け継ぎます。

 

同一の被代襲者に複数の代襲相続人がいる場合、各代襲相続人の相続分は被代襲者の相続分を均等に分けます。

上記の例で、孫が複数いる場合です。

 

この場合の孫たちは、もし彼らの親である被相続人の子が亡くなっていなければ取得する予定の財産を相続します。

 

本来相続人となるはずであった者が被相続人の財産を相続していれば、次の世代の子はこれをさらに相続によって取得することができたはずです。

被相続人の子が死亡したタイミングによって財産を取得したりしなかったりするのは不公平です。

それを是正するために取り入れられた制度です。

 

■身分が重複し、双方の相続分を取得する場合

 

被相続人の子が既に亡くなっている場合、被相続人の孫(既に亡くなっている子の子)が被相続人の養子となっている場合です。

この孫は子の代襲相続人であり、かつ被相続人の子です。

このようなときは、この孫は、代襲相続人としての相続分と子としての相続分を取得します。

 

■身分が重複し、一方のみの相続分を取得する場合

 

被相続人が被相続人の配偶者の父母と養子縁組している場合です。

このとき、被相続人に子や直系尊属がない場合、この配偶者は、被相続人の配偶者であり、かつ被相続人の兄弟姉妹です。

このようなとき、この配偶者は、配偶者としての相続分を取得し、兄弟姉妹としての相続分は取得しません。

 

■特別受益者の相続分

 

共同相続人の中に、被相続人から遺贈を受けた場合を考えます。

また、婚姻もしくは養子縁組のため、もしくは生計の資本として贈与を受けた者の場合です。

これを特別受益者といいます。 

特別受益者がいたときは、これらの遺贈や贈与を考慮して相続分を修正します。

 

遺贈や生前贈与による特別受益者があった場合、被相続人が相続開始のときに有していた財産の価額にその贈与の価額を加えます。

この足した価額が相続財産であるとみなします。

このように贈与分を相続財産に戻すことを「持戻し」といいます。

 

■寄与分がある者の相続分

 

共同相続人の中に、被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした者がいるとき、その者の寄与分を考慮して相続分を修正します。

つまり、被相続人の事業に無償または安い給与で従事していた場合、被相続人を長期にわたり介護した場合も考慮されます。

被相続人に財産の給付をした場合も当てはまります。

「特別の寄与」と呼ばれる制度なので、通常の貢献を遥かに超える効果をもったものが対象です。
 

そして、その寄与分は原則として相続人全員の協議で決まることとされています。

寄与分は相続財産の価額から控除されます。

 

◼︎結び

 

相続分について紹介しました。

被相続人との関係によって様々な相続分があります。

 

民法は法律婚主義を採用しています。

このことが相続分にも色濃く影響しています。

遺言を作成したときはこの法定相続分に従わずに済みます。

しかしこの法定相続分を考慮することは財産分与の目安になります。

遺言作成の財産分与について、揉めないための専門家、行政書士にご相談ください😉